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南洋における香辛料使用の歴史は、紀元前3000年のインドに始まります。古代インド医学の最も有名な植物経典--ヴェーダに記載された薬草には、バジリコ、肉桂、ショウガ、没薬、ビャクダン等があります。古代、香辛料は医療、防腐、香料に用いられ、大航海時代貿易の勃興とともにインド大陸から周辺地域の南洋国家に伝わりました。 香辛料は植物の種子、つぼみ、茎、根等、あるいはその抽出物を利用し、刺激的な香りがあり、食物に風味を加え、食欲増進や消化吸収促進作用を与えます。精油含有量が高く、強烈な味、香りの作用があり、食欲を増進し、食品の風味をよくするだけでなく、殺菌防腐、酸化防止の効果があります。南洋国家が常用する香料の種類は以下の通りです

レモングラス (lemongrass)

説明: イネ科の多年生草本植物です。インド原産で、強烈なレモンの香りがすることから名前が付けられました。全株がレモンの爽やかな香りを発散し、外観はススキに似ています。

レモングラス (lemongrass)

効果: 疲労解消、筋肉痛を和らげ、風邪を治療し、抵抗力を増強し、消化を助け、皮膚を潤し、美容にいいです。

応用: 食物に風味を添えるのに適しています。たとえばタイ料理の名物料理「魚のレモングラス蒸し」と「トムヤムクン」には、どちらもレモングラスが欠かせません。その新鮮な、あるいは乾燥した葉はお茶を入れるのに適しています。淡いレモンの香りで、爽やかで、香りがいいです。

レモンリーフ (kaffirLime)

説明:アジアライムの葉です。香りは爽やかな柑橘類で、完全にレモンというわけでもなく、完全にライムというわけでもありません。

レモンリーフ (kaffirLime)

効果:性は温、味は辛と甘。肺経や胃経の経絡に作用し、痰や咳を沈め、食欲増進の効果があります。

応用:多くのタイ料理のスープ、サラダ、野菜炒めに、レモンリーフを使って香りをつけます。

バジリコ (basil)

説明:一年生草本で、茎が直立し、高さは50~100センチに達します。葉は楕円形を呈し、花は白色です。バジリコはインド原産で、最も早く使用された香料の一つです。アジア種とヨーロッパ種に分かれます。インド人は、バジリコが空気を浄化し、空気が病原菌に汚染されるのを避けるだけでなく、人の心を落ち着かせることができると信じていました。ですから、「神聖な草」と考えられていました。台湾にはオランダ人によって持ち込まれました。意外にも特殊な風味が台湾人の好みに合い、さらに気候が成長に適していたので、台湾地区ではよく見られます

バジリコ (basil)

効果:胃腸の不調に対して、消化を助け、血液循環を促進し、神経を強化安定させるのに役立ちます。医学研究によって、偏頭痛の緩和、鼻づまりの改善、腹の張りを解消し、殺菌、排汗利尿等の作用が証明されています。

応用:強烈な香りの薬草で、急性症状を和らげます。ほとんどは料理、特に地中海と東南アジア地区の料理に使われます。タイ料理では、炒めものとカレーに一振りし、濃厚な香りがココナツミルクと引き立てあいます。

唐辛子 (chili)

説明:中南米とカリブ海群島原産の多年生灌木状草本です。葉は長卵状で、縁が長く、茎が長いです。果実形状には長形、球形と円錐形があります。通常は赤色あるいは緑色です。その特徵は辛味が強く、刺激性があることです。特に皮が薄く、果実が小さい物はさらに辛いです。唐辛子の種子は辛いですが、外皮の辛さはだいたい中くらいです。唐辛子を使って炒める時、鼻にツンとくる辛味が出るのが、その特色の一つです。種類が非常に多いですが、よく使われるのは唐辛子(カイエンペッパーともいう) と赤唐辛子の二種類です。

唐辛子 (chili)

効果:栄養価値が高く、豊富なビタミンA、Cが含まれ、防寒、食欲刺激と通気の効果があります。貼るとリウマチと関節炎等を治す効果があります。

応用:料理するときに調味料として使用すると、料理の生臭さを取り去り、殺菌の効果があります。生唐辛子が料理に使われるだけでなく、唐辛子を主体とした製品が売られています。たとえば乾燥唐辛子、粉末唐辛子、ラー油、唐辛子ソース等はすべて料理に役立ちます!

ナンキョウ (Galangal)

説明:多年生草本植物で、性味は辛、温。温和性食療法に属します。本草綱目には『ナンキョウ』が記載され、三年ものを上品としています。ナンキョウは大ナンキョウと小ナンキョウに分かれます。小ナンキョウには比較的辛い香りがあり、アジア医学では、ナンキョウは粘膜炎(CATARRH) と呼吸困難に改善の作用があることが分かっています。近年の研究では、ナンキョウに含まれるクルクミンには抗ガン効果があることが示されました。

ナンキョウ (Galangal)

効果:温胃、止痛、去風、散寒、血液循環を速め、体力をつけます。

応用:地下根茎の柔らかい部位を取るか、細かく切って、その他香料と料理に入れ、料理に辛味を持たせます。料理では最高の臭味取り材料です。甘い料理でも、塩辛い料理でも、ショウガはその他の食材の味を引き立てることができます。タイのココナッツミルクチキンスープ、トムヤムクン、イカの辛味炒めはナンキョウで味付けします。タイでも若い葉あるいはつぼみをその他野菜と一緒に炒めます。マレーシアとインドネシアでは、ナンキョウカレーと蒸し煮に使います。

ウコン粉 (TurmericPowder)

説明:ウコンは多くが熱帯地区で栽培されています。特殊な香りがあり、濃い木の香りと、微かな花の香りと柑橘とショウガの風味がします。味は辛く、苦味はショウガよりわずかです。カレーで使われる大事な香料の一つで、カレーの魅力的な色はウコン粉のおかげです。

ウコン粉 (TurmericPowder)

効果:アジアでは、ウコンは胃病、肝病治療に使われます。内服で膀胱をきれいにし、牛乳、砂糖と一緒に煮ると風邪を治すことができます。塗り薬にして皮膚病を治療することもできます。

応用: 南洋料理で、ウコン粉は野菜、豆類料理でいちばんよく使われます。鮮やかな色は食欲を刺激し、漬物類、フレンチドレッシングなどに適します。伝統的なインド用法では、ウコンを織布の染料としたり、泥状にして顔に塗ったりします。

タマリンド (Tamarind)

説明:タマリンドは俗にインド棗と言い、インド原産です。古くからカレー粉の香辛料成分の一つとされてきました。果肉には糖分と酢酸、酒石酸とクエン酸等が多く含まれます。その中で酒石酸が比較的多く、甘酸っぱくおいしいです。酸角果肉にはカルシウム、リン、鉄等多くの元素が含まれ、その中でカルシウム含量はすべての果物の中で最高です。

タマリンド (Tamarind)

効果:インドの伝統では、赤痢の治療に使え、お通じをよくする効果があります。豊富なビタミンが含まれるため、肝臓と腎臓の機能を助けます

応用:タマリンドの果実は直接食べることができます。あるいは砂糖漬け等の加工品にして食べます。調味料として料理に使うこともできます。タマリンドに水を加えて薄めるとタマリンドジュース(ソース) になります。多くのタイのソースにはタマリンドジュースがくわえられ、その酸味はレモンに負けませんが、お湯につけることはできません。酸味がなくなってしまいます。

胡椒 (Pepper)

説明:胡椒は多年生つる植物です。生長地区は海抜0から1500フィートまでの熱帯地区、たとえばインドネシア、インド、ブラジル、マレーシア、スリランカ、タイ、シンガポール等です。胡椒の実には黒、白、青と赤色があり、よく使われるのは黒胡椒と白胡椒です。黒胡椒は比較的辛く、刺激的な香りが濃く、精油含量が高く、料理によく使われ、胃を刺激する効果があります。白胡椒は薬用価値が中心で、利尿、胃の張りを軽くするなどの効果があります。

胡椒 (Pepper)

効果:

発汗、駆風、健胃薬用で、胃弱、消化不良、むかつき、下痢、腹痛等症状を治します。薬用には一般的に白胡椒が使われます。

応用:料理について言うと、胡椒の用途はとても広く、エビ、カニ、魚、海鮮類、肉類、野菜等すべてに合います。この他、スープの味付け、漬物にも適します!

ライム (Lime)

説明:東南アジア地区の常緑灌木で、東南アジア特有の調味野菜です。特有の強烈なレモンの香りがもたらす風味は、その他柑橘類で代用できません。使用する時、完全に開いて硬化した葉の香りが最も濃く、柔らかい枝葉の香りがいちばん悪いです。

ライム (Lime)

効果:食欲促進、身体機能増進、抗壊血病、殺菌等

応用:料理では、最初に加熱するときに入れます。熱気を利用して、香りと風味を煮出します。タイの有名なトムヤムクン(TomYamKung)、カニのカレー煮、ココナツミルク鍋…等と鶏肉あるいは魚類と一緒に煮ると、味付けと生臭さを取り除く効果があります。

カレー (Curry)

説明:混合香辛料で、インド発祥です。食物をさらにおいしくするだけでなく、インドの薬草の一つでもあります。主に、香りを中心とする香料、辛味を中心とする香辛料と色を中心とする色香料等の三部分から構成されます。カレーの味は辛く、色が魅力的です。一般的な混合比率は、香料40%、香辛料20%、色香料30%、その他10%です。もちろん、具体的な作り方はこれに限らず、混合比率を変えて、独特なカレー粉を作ることができます。

カレー (Curry)

効果:食欲を促進でき、消化をスムーズにします。血液循環を促進でき、発汗させて体温を下げます。胃酸と結合して、体内で消毒滅菌の効果があります。抗炎症、痛み止めと老化防止(認知症予防) の作用があります。しかし、カレーとウコンは性が燥熱に属します。口と舌が渇きやすく、身体が発熱したり便秘、尿が黄色い場合は、適量使うことが必要です

応用:中世のヨーロッパで、香辛料は調味料として使用される以外に、薬と肉類保存等機能から、生活の必需品になりました。

エシャロット (shallot)

説明: 多年生草本で、茎部が鱗茎形で地下に隠れ、表皮が紫赤色であることから名前が付きました。エシャロットの原産地はパレスチナです。十字軍が東征した時、ヨーロッパに伝わりました。ですからオランダ、フランス、イギリスがエシャロットの重要な産地です。エシャロットはアジアでも栽培されています。エシャロットも料理に欠かせない香りづけ食材の一つです。

エシャロット (shallot)

効果: うまみを増し、生臭さを取り除く効果があり、よく食べると胃の養護、興奮、発汗、去痰、利尿等の食療効果があります。

応用: エシャロットを細かく切って、油で揚げると、エシャロットチップになります。いつも中国料理で香りをつける材料の一つに使われます。今市販されていて、乾燥しているエシャロットチップは、とても便利ですが、ただ香りがその場で揚げたエシャロットに及びません。タイでエシャロットは調味料の主要原料の一つで、和え物の中にもよく使われます。

ココナツミルク (Coconutmilk)

説明: ココナツは熱帯地方の宝です。脂肪と蛋白質の含量が特に多いです。樹上で熟したココナツを取ると、一食の栄養を提供できます。果実が熟した時、果肉をこそげ落として水を加えて砕き、砕いた後、牛乳のような香りのココナツミルクが残ります。ココナツミルクは香りが濃厚で、デザートを作るのに適していて、カレーに入れてその辛さを和らげることもできます。

ココナツミルク (Coconutmilk)

効果: ココナツの果肉は、補益脾胃の効果があります。ココナッツジュースは、滋補、生津、利水の効果があります。

応用: ココナツミルクはタイで塩辛い料理にも、辛い料理にも欠かせない調味食品です。デザート、点心、ケーキを作るのに使えるだけでなく、多くのタイ料理もココナツミルクが必要です。タイではココナツミルクを有名なBuburChaChaに使います。カレーを煮るときもココナツミルクが必要です。