メインコンテンツブロックにスキップ
1. Q:母乳育児の長所とは?
A:母乳の長所:

栄養
免疫グロブリンと豊富なDHA(ドコサヘキサエン酸)を含み、新生児に免疫力を与え、腦と網膜の発育を助ける。

消化
母乳タンパクは乳清タンパクで、消化し易い。また母乳分解脂肪酵素を備え、新生児にとっては消化、吸收、利用が最も容易。電解質と鉄の含量は粉ミルクより低いが、吸收利用率が高いため、新生児の腎臓の負担を軽くすることができる。

必要 
母子のつながりを強めることができ、新生児にとっては心の栄養。吸い付くことで生理的な欲求を満たすことができ、安心感を得られるため、新生児の適応力を高める。

経済的
粉ミルク授乳に必要な、器具、粉ミルク等の出費が不要で、家庭の経済的負担を減らすことができる。

衛生安全
直接授乳する母乳は、授乳瓶が衛生的でない、或いは母親の手洗いが不完全等で起きる汚染を回避できる。また粉ミルク作りが不適当、或いは不適当な製造による潜在的な危険を予防できる。


便利
器具や消毒が不要で、最も新鮮で、しかも最も適した温度で、外出時もいつでも授乳できる。

見た目
母乳を吸いだす時には口腔運動を行う必要があるため、歯茎が強くなり、新生児の顔型を美しくする。

予防
アレルギー体質の新生児にとっては、牛乳アレルギーによる下痢、嘔吐、気管支炎、喘息、湿疹、発育不良等症状を予防できる。

母親に対する効果
子宮收縮を促進し産後の回復を助け、産後の生理回復を遅らせることで自然避妊の効果がある。またカロリーを消費するため減量を助け、しかも母乳育児を行った母親の乳癌、卵巣癌、骨粗鬆症の罹患率は低いという統計がある。


2.Q:私の母乳は充分でしょうか?
A:乳児が泣けば、それはお腹がふくれていないからだ、と考えて、母乳育児を行う母親の多くが、母乳の不足を心配している。大多数の母親の母乳は自分の乳児の必要を満たすのに充分である。なぜなら、母乳は乳児の必要に応じて作られるからである。母親が、母乳が不足していると感じる主因は、乳児が吸い付く回数が不十分であることである。つまり「赤ちゃんがたくさん吸えば吸うほど、母乳は分泌される」。もし、粉ミルクを足してしまえば、乳児が吸い付く回数を減らしてしまい、乳児は授乳瓶による授乳に慣れ、母親の乳房を吸わなくなってしまう。

3.Q:授乳期間、母親は特別な食事をして母乳量を増やす必要がありますか?
A:発展途上国或いは先進国で行われた研究によれば、母乳の量及び質と栄養摂取には直接的な関係はなく、乳児の吸い付きと関係があるという。よって、乳児が正しく乳房を口に含み吸っており、赤ちゃんが欲しがるままに授乳すれば、母親の母乳は自然に乳児の必要を満たすことができる。

4.Q:母乳育児での排便回数はㄧ日何回が正常ですか?
A:母乳育児での排便回数は、特に最初の数週間は差異が非常に大きい。最初の1~2ヶ月の大便は通常は水のようで、いくらか粘液を含み、少しの粒状物があり、わずかにすっぱい臭いがする。母乳を飲むと直ちに排便があることもあり、ㄧ日に8回以上にもなるが、これは正常で、下痢ではない。このような大便状況は固体食物を与え始めるまで続くことが多いが、1~2ヶ月で数日に一度しか排便がないようになる乳児もいる。通常は軟便で、長い時には1~2週間に一度軟便がある、というようなこともあるが、これは便秘ではない。これは、母乳が完璧な食物であり、ほとんど完全に吸收され、排泄するものがないことを示している。大便の回数が多くても少なくても、乳児に腹部の張り、落ち着かずよく泣くということがなく、元気で肌の弾力も良く、小便量も正常なら、心配する必要はない。

5.Q:乳房が張る(Fullness)時どうしたらいいでしょうか?
A:乳房が張る時には、できるだけ赤ちゃんに吸わせて母乳を出し、乳房を軟らかくし、乳腺の通りを良くする。授乳後も腫れが軽減しないなら、母乳を搾り腫れを抑えても良い。

6.Q:母親が風邪、下痢でも授乳を続けてもいいですか?
A:授乳を続けても良い。母親が外界の細菌やウィルスに接すると、これら細菌/ウィルスに対して、体内では特異性の分泌型免疫グロブリンAが作られ母乳中に分泌される。同時に、母親体内の白血球は、この細菌/ウィルスに接触後、生理食細胞及びリンパ球等を活性化し乳房の上皮組織中に送り、抗体を母乳中に分泌する。これら分泌型免疫グロブリンAと抗体は、乳児の胃腸中で、一種の分泌成分(secretory component)の保護により、胃酸により破壊されないため、これら細菌/ウィルスの人体への進入を回避することができる。たとえ母親が感染を受け、或いは病気になっても、授乳し続ければ、かえって乳児を保護することになるのである。母親が抗生物質を服用しても、一般的には母乳を与えてもよいが、乳児の大便の状況を観察し、またどうしても心配なら、薬の名前を医師に尋ねる。

7.Q:乳が口から戻ったり、吐いたりしますが、どうしますか?
A:これは乳児期によく見られる現象で、飲んだ量が胃の容量より多い、或いは飲んだ後、ゲップの時に溢れてくるもので、授乳後1~2時間で出現し、通常は乳児がむせたり、セキをしたり、或いは気分が悪くなったりすることはない。睡眠中に現れたとしても乳児に危険が及ぶことは少ない。乳児の中にはよく吐く子もいるが、通常は、座って過ごす時間が長くなると状況は改善され、一歳前後まで乳を吐く子は少ない。赤ちゃんが乳を飲んだ後、力いっぱいに飲んだ母乳を完全に噴き出し、しかもそれが毎日1~2回以上あり、或いはそれに体重の増加が望ましくないという状況が加わるなら、医師を受診する。以下のステップで、口から乳を溢れさせる状況を軽減できる:
1. 授乳時には静かにゆっくり行う。
2. 授乳中は突然の中断、音或いは光の刺激、或いは気を散らせる他の事物の存在を避ける。
3. 授乳後は乳児を直立姿勢にする。
4. 授乳後は、乳児と激しく遊ばない。
5. 乳児がお腹を空かせ過ぎる前に授乳する(乳児を激しく泣かさない)。
6. 哺乳瓶で授乳する時には、穴が大き過ぎたり、小さ過ぎたりしないよう注意する。
7. 睡眠時は頭部を高くして乳児の頭を腹部より高くし、或いは右向きに寝かせる。
赤ちゃんが乳を飲む度に力いっぱいに母乳を噴き出し、或いは吐き出したものが黄緑色で、或いはこのため体重が増えない、或いは元気がなく、飲む量が明らかに減った、或いは吸い付く力が弱くなったという状況が加わるなら、小児科或いは新生児専門医を受診する。

8.Q:母乳はどれくらいの期間与えますか?
A:WHO及び国連児童基金は1999年、新生児の生後30分~1時間以内に授乳を開始するよう、また以下の事項について勧めている。
1.0歳から6ヶ月までは母乳だけで育てる。
2.6ヶ月後に副食品を加える。
3.母乳育児を2歲或いは2歲以上まで続ける。
米国小児科医学会は赤ちゃんが少なくとも一歲になるまで母乳を与え、その後は母親と子供が離乳の方法と時期を決めるよう勧めている。

9. Q:母乳育児期間に母親はベジタリアンでもいいですか?
A:ビタミンB12の補充に気をつけ、栄養が充分ならかまわない。ベジタリアンの母親も完全な栄養の母乳を分泌することができる(備考:ビタミンB12は動物性食物中にのみ含まれる)。

10.Q:授乳に関する資料はどこにありますか?
A:

1.台北市政府衛生局ホームページ  》主題専区 》孕產知識母乳哺育
2.衛生福利部國民健康署 孕產婦關懷諮詢網站》母乳哺育
衛生福利部国民健康署妊婦ケア案内ダイヤル 0800-870-870 ( マル八マルマル、花マル花マル )

ご案内時間: 月曜日~金曜日 午前 08:00 – 午後 18:00 (休日と祝日はお休み)


3.台湾母乳協会
4.国際母乳協会
5.World Alliance for Breastfeeding Action (WABA)

※出典::衛生局